薮田修身 写真展

can’t anybody see
薮田修身写真展
2026年9月11日(金)~9月20日(日)
会期中無休 13時~19時

本展は三部作の第二作にあたる作品群である。
昨年発表した『WALTZ』では、非現実や想像の世界を描いた。それに対し本作では、現代の東京、特に渋谷を舞台に、都市の中をさまよう感覚や、言葉にならない寂しさへと視線を向ける。
タイトル「can’t anybody see」は、Portisheadの楽曲「Road」冒頭のフレーズに由来する。

「どこにしまったのだろう。」

確かに持っていたはずなのに、見つからない。探しているものは分かっている。しかし、探し続けても見つからない。もしかすると、もう失われてしまったのかもしれない。

コンサートツアー撮影で各地を訪れても、その街を知る時間はほとんどなく、ホテルの窓から見える景色だけが、その街の記憶として残る。そうした断片的な風景が、本作のイメージの源泉のひとつとなっている。

渋谷の街並みや人物、そしてヌードを通して、都市の中をさまよう感覚や、言葉にならない寂しさを写し出そうと試みた。身体そのものではなく、その奥にある孤独や悲しみにも目を向けている。

映画『ロスト・イン・トランスレーション』のようなフィーリングを、写真によって伝えたい。

三部作は、来年予定されている第三作によって完結する。第三作では、ノスタルジーや遠い記憶、昔聴いた音楽のような感覚がテーマとなる予定である。


薮田 修身|Osami Yabuta 1967年生まれ。ロサンゼルス滞在中にHerb Rittsの作品に影響を受け、本格的に写真を始める。1992年、写真家・斉藤一男に師事。1995年に独立後、ニューヨークを拠点に活動し、アメリカ同時多発テロを機に帰国。ファッション、広告、CDジャケット、アーティスト撮影など幅広い分野で活動。Mr.Childrenのコンサート撮影なども手がける。人物との距離や呼吸、その場に漂う空気を丁寧にすくい上げるポートレートを軸に、作品制作を続けている。