“雨匂う肌” 珠 かな子×七菜乃 二人展
11月7日(金)~16日(日) 会期中無休 13時~19時
“Rain-Scented Skin”, a duo exhibition by Tama Kanako and Nananano at Jimbocho Gallery, November 7–16, 2025. Open daily, 1–7 PM.
少し湿った空気は
大きな山と湖の気配を孕んでいる
小さな森で、湿った足が4本
はずんだ足取りをしている
時々そよぐ風が全身を撫でて
私と彼女という存在がこだまして
木々や草や土に反響する
混ざりあう2人ではないけれど
確かに呼応しあって
お互いの肌で受け止め合っていた
珠かな子と七菜乃による二人展です。互いを被写体としてフィルムに収めた約30点の作品を展示いたします。2025年8月に撮影された写真には、湿った空気や森の気配の中で、二人の存在が呼応し合う瞬間が刻まれています。ソウルメイトのように互いを高め合う関係性が、肌の感覚を通して静かに浮かび上がります。
本展に出展している珠かな子の作品は、すべて手彩色による作品です。七菜乃さんをカラーフィルムで撮影し、デジタルで調整した後、モノクロームでインクジェットプリントしました。その後、薄めたアクリル絵の具を筆で紙にそっと染み込ませるように、一点ずつ手彩色を施しています。
七菜乃の作品は、珠かな子を撮影したものと、二人が同じ画面に写っているもの二種類で構成されています。撮影地は七菜乃の出身地である山中湖周辺で、蝉の声が響き、雨上がりの草が匂い立つ場所や、古民家の静かな室内に差し込む光の中で撮影されました。それらの湿度や気配がフィルムにそっと収められています。まなざしや肌を通した珠かな子との静かな呼応が、画面全体ににじみ出ています。
The damp air carried the presence of mountains and a lake. In a small forest, four feet moved with buoyant steps. The passing breeze caressed our bodies, our existence echoing through trees and grass. We did not merge into one, yet we surely responded to each other, receiving one another through our skin.
A duo exhibition by Tama Kanako and Nananano, presenting around 30 film photographs in which the two artists captured each other. Taken in August 2025, the works resonate with the damp air and the presence of the forest, tracing moments of mutual response. Their relationship, like that of soulmates, quietly emerges through the sensibility of skin.
All of Tama Kanako is works in this exhibition are hand-colored pieces.After photographing Nananano on color film and making digital adjustments, the images were printed in monochrome using an inkjet printer.Each piece was then hand-colored one by one, gently brushing diluted acrylic paint into the paper.
Nananano’s works consist of two types:photographs in which she captures Tama Kanako, and photographs in which both artists appear together.The series was photographed around Yamanakako, Nananano’s hometown—places where the sound of cicadas fills the air and the scent of rain-soaked grass rises from the ground, or within the quiet light of a traditional house.The humidity and atmosphere of these scenes are gently held on film.A quiet resonance with Tama Kanako—felt through gaze and through skin—subtly permeates the images.
| ☆ | 珠かな子 1988年大阪生まれ |
| 2012年 | 個展「玉手匣」デビュー 神保町画廊(東京) |
| 2014年 | 個展「おもちゃ箱」 神保町画廊(東京) |
| 2016年 | 個展「いまは、まだ見えない彗星」神保町画廊(東京) 個展「マタギタマ」神保町画廊(東京) 個展「珠かな子写真展」green&garden(京都) 出展 ART OSAKA みうらじろうギャラリー(大阪) |
| 2019年 | 個展「いまは、まだ見えない彗星」アトリエサード写真集出版記念展 神保町画廊(東京) 個展「あまくて、かなしい」 神保町画廊(東京) |
| 2021年 | 個展「蜜の魔法」神保町画廊(東京) 個展「肌に降る七星」アトリエサード写真集出版記念展 神保町画廊(東京) |
| 2023年 | 「肌に降る七星」アトリエサード写真集出版 個展「見るなの禁忌」神保町画廊(東京) |
| ☆ | 七菜乃 |
| 2015年 | 「NANANANO reflex instax minifilm Exhibition」 リトルモカ台北、台湾 「女体愛好家 七菜乃による七菜乃展」 アツコバルー、東京 「裸体というドレス」 神保町画廊、東京 |
| 2016年 | 「虚ろの国のアリス展」ヴァニラ画廊、東京 参加 「おひななのまつり」 BAR星男,東京 「自拍攝影 裸身裝」 リトルモカ台北、台湾 「私の女神たち-My Venuses-」 神保町画廊、東京 「アトリエサード『トレコス/トレヴァー・ブラウン×七菜乃』 出版記念展」 スパンアートギャラリー、東京 |
| 2017年 | 「おひななのまつり2 コーキ」 BAR星男、東京 「My Aesthetic Feeling」 神保町画廊、東京 |
| 2018年 | 「トレコス/アトリエサード刊 出版記念展」スパンアートギャラリー、東京 「おひななの祭3」 BAR星男、東京 「スパンアートギャラリー企画/銀座ねこ集会展」東京交通会館、東京 参加 「七菜乃写真展」 B-FLAT BAR、東京 「裸ノ神殿」 清アートスペース、東京 |
| 2019年 | 「おひななの祭4」 BAR星男、東京 「≒ニアリーイコール 大塚咲×七菜乃」 弘重画廊、恵比寿/Pulp、大阪 「芸術新聞社写真集『My Aesthetic Feeling』出版記念」 神保町画廊、東京 |
| 2020年 | 「七光 七菜乃×光宗薫二人展」 清アートスペース、東京 「芸術新聞社写真集『裸体というドレス』出版記念」 神保町画廊、東京 |
| 2021年 | 「#おうちヌード」 神保町画廊、東京 「9月の光と風・展」ベルンアートギャラリー、大阪 参加 「凪」 神保町画廊、東京 「自由でいたいの」 BAR星男、東京 |
| 2022年 | 「STILL LIFE」 神保町画廊、東京 「LONG VACATION」 神保町画廊、東京 「Exhibition π」 澁谷藝術 神南ギャラリー、東京 参加 「icon contemporary Photography」 AXIS Gallery、東京 参加 「in the room」 新宿眼科画廊、東京 |
| 2023年 | 「BEYOND THE AGES/PORTRAIT」 Sansiao Gallery、東京 参加 「Like the blue sky」 神保町画廊、東京 「icon contemporary Photography2023」 AXIS Gallery、東京 参加 |
| 2024年 | 「#おうちヌード」神保町画廊、東京 |
| 2025年 | 「ジョージアにて」神保町画廊、東京 「手のけしき、夏のかげ」GALLERY futari、東京 「It is here, truly. 」神保町画廊、東京 |
