ムーニー劇場第三幕

金利健司写真展『ムーニー劇場第三幕 フエルアルバム』
12月8日(金)~12月17日(日)

ムーニー劇場にご来場いただき、誠にありがとうございます。
いよいよ来年は平成30年、昭和が終わって30年の月日が経とうとしています。ムーニー劇場第三幕 ~フエルアルバム~ 棚の片隅で、古ぼけたアルバムを発見します。そこには、ある会社の温泉での大宴会の写真と、スナックでの飲み会の楽しそうな写真・・・写真の日付は、1987年=昭和62年、昭和末期、日本はバブル景気の真っただ中、天安門事件や、国鉄は民営化によりJRとなった年でした。写真は、フィルムで撮影し、お店に出して紙にプリント、「E版」と呼ばれる紙のサイズが主流でした。
30年前をつい最近に感じる人もいれば、まだ生まれていなかったという人もいらっしゃるかもしれません。しかし、30年前、1987年の方が、高度経済成長期前であるさらに30年前、1957年の情景と比較すると、ずっと現代に近く感じられるのではないでしょうか。30年前の「今現在」の飲み会を楽しんでいた人物の表情が、アルバムの中に閉じ込められています。いや、現実には、2017年の今現在、ムーニー劇場として30年前を再現したのですから、今の情景を30年前に遡って閉じ込めたとでも言うべきでしょうか?
30年間で変わったこと、変わらなかったこと、生まれたもの、失ったもの、それぞれに思いを馳せながら、他人のアルバムを覗くような気持ちで、写真をご覧いただければと思います。
また、奥にはもう一つのムーニー劇場作品として、「昭和の男女の物語」を描いた3作品も展示しております。こちらも、他人のアルバムを覗くようにご覧いただければと思います。 (金利健司)

※12月16日16時トークショー開催! ゲスト:常盤響、奈良岬