「姫君と心臓の女神様」村田兼一

「姫君と心臓の女神様」
昔々とある国の姫君は、他の女官たちと違いバラ色の頬を持たず、また人の心が分からないことを悩んでいました。小さな頃から、自分には「心臓と言うものがない」と女官たちの噂を耳にして、「それで私は人の心が分からない」と小さな胸を痛められていました。
年頃になった姫君に多くの求婚者が現れても心はときめかず、恥じらいで頬も紅くはなりません。悩んだ姫は心臓の女神さまに夜毎涙ながらに祈りました。
「私に心を宿すという心臓をください」と。(本文より抜粋)

村田兼一写真展 「姫君と心臓の女神様」
12月2日(金)~18日(日) 開催 
月火休廊 13時~19時