村田兼一 女神たちとの邂逅

私は2015年、北見えりさんをはじめ数人の女神たちに出会った。当時、フォトテクニックデジタル誌 で「魔女の系譜」を連載中で魔術的なものアニミズム的なものを題材に撮影をしていた。モデルたちに求めるのは巫女的な、シャーマン的な存在感だ。しかし撮影していて彼女から感じたのは「内包する巫女的な無垢さ」と「神々と渡り合い、祟り神ですら鎮め多産や豊作を導き出すのでは?」と思わせる力強さだった。 村田兼一

月乃ルナさんから枯れ木をメインの小道具に使用すると何やら魔術的、シャーマニズム的、巫女的なイメージがムクムクと膨らんだ。後に「魔女の系譜」シリーズになる。
天使のような北見さんもこの巫女要素にはまり込む。シャーマンとしての素質があるのだろう。神に仕えるというよりは、神と渡り合い、祟り神を鎮め豊作や多産を引き出すのが似合っている。
2016年は森ノ宮遠子さんが現れ七菜乃さんも安定した私のメインモデルとして付き合っていただいた。この年に「魔女の系譜」(玄光社刊)を上梓する。しかしこの2年間の撮影量は多く、とても一冊の本にはまとめ切れなかった。そこで今回、北見さんをメインに本に収録し切れなかった多くの作品を展示しようと画策した。
北見さんは今、ラバーの女神としてフェティッシュな大人の空気を纏い、私の撮影していた頃とは全く雰囲気の違う世界観の中で活躍されている。そんな彼女の少女期を私の捏造するアニミズム観の中で、今一度ご覧いただきたい。

村田兼一写真展
「Five years ago, I encountered the muses.~女神たちとの邂逅」
6月19日(金)~7月5日(日)