清田一樹 Dozy Voyage

このフォーカスを合わせないぼんやり写真の「Dozy」シリーズを撮影を開始してから、20年近く経っ た。(最初の展示は11年前)その間に様々なメディアがデジタル化され、世界はより緻密な描写と高彩 度、高コントラストの画像で記録され、ほぼ瞬時に情報化されて社会を駆け巡る。 正直、こう言う世界は疲れる。(考えてみると20年前から疲れていたのか?)  1971年製のカメラのファインダーを覗き、フォーカスを合わせ、フォーカスを外す。ちょうど良いボケ 具合の「フォーカスの山」を探して何度かリングを回す。形がはっきりしない、けれども何が写っているの か、判るギリギリの所を狙うのが面白い。日頃の見慣れた風景が柔らかく拡散する時、意識がその光の中に 溶け込む様な快感さえ覚える。 シャッターを押してから、ぼんやりと質感が省略されたモノクロのプリントが完成するまで、何日も、ある いは何年も時間が開く場合もある、この遅さもまた楽しい。  今回は少しずつ撮りためていた、船旅、港、海等を中心にセレクトした他、2007年に倒産したハンガ リーの感光材メーカー「フォルテ」を使った飛行機、飛行場シリーズも展示する。(文/清田一樹)

機材、感光材データ キヤノン F-1 A-1 LEITZ MINOLTA CL  フィルム イルフォードFP4P 印画紙 ベルゲールバリアブルコントラストCM フォルテPW-18 フォママルチコン トラストクラシック

清田一樹 Dozy Voyage -ドージィー ボヤージュ‐ 
1月6日~22日

1963年 北海道小樽市生まれ
1987年 信州大学繊維学部・機能高分子学科卒業 
1991年 日本写真学園入学
1994年 日本写真学園研究科卒業
1996年 フリーの写真家として活動
1998年~2005年 日本写真学園の非常勤講師を勤める
2002年~NHK学園生涯学習講座「デジタルカメラ」講師
2005年~東京デザイナー学院 非常勤講師
2011年~2015年 東京工科大学デザイン学部 非常勤講師写真展

1992年 個展「駅より徒歩10分・深夜帰宅者の視線」     
キヤノンサロン銀座、札幌、福岡、梅田
1997年 個展「冬景色・小樽」 コニカプラザ新宿
2002年 個展「麻布台無人横丁」 コニカプラザ新宿
2004年 グループ展「Projection Project」ギャラリーDAZZLE
2005年 個展「`Round Midnight・深夜徘徊者の視線」 コニカミノルタプラザ新宿
2006年 個展「Dozy」ギャルリ ドゥミ・ソメーユ(東京銀座)
2006年 グループ展「stereo town」 moDel T(池袋)
2007年 個展「Dozy~docoka」ギャルリ ドゥミ・ソメーユ(東京銀座)
2008年 個展「Dozy~Autumn&Winter」ギャルリ ドゥミ・ソメーユ(東京銀座)
2009年 個展「Dozy~Mystery」ギャルリ ドゥミ・ソメーユ(東京銀座)
2010年 個展「Dozy~Over the River」ギャルリ ドゥミ・ソメーユ(東京銀座)
2011年 個展「Dozy~Jet Airliner」ギャルリ ドゥミ・ソメーユ(東京銀座)
2013年 個展「FREE AS THE WIND」神保町画廊(東京 神保町)
2014年 個展「Dozy~Once more」神保町画廊(東京 神保町)
2015年 個展「FREE AS THE WIND 2015」神保町画廊(東京 神保町)